英会話教室の自分と認知症の方々の診察
英会話教室の自分と診察室での認知症の患者さんの診察 今後間違いなく増えてくる英語を話される患者さんの対応のために毎週1回診察を終えた遅い時間に不慣れな英会話教室へ通っています。このレッスンを通じて実感したことを診察に活用しています。 認知症を心配される方が来院された場合、問診、診察、認知症問診検査、MRI検査などで診断します。 通常の問診診察時間は一人当たり5分から10分程度ですので、その時間だけで認知症の有無を診断することは必ずしも容易ではありません。 しかし、20年、30年と通院されている患者さんが、急に髪を整えなくなったり、不定期に来院されるようになったり、対話が難しくなったりすると、認知症を疑うことがあります。 検査結果は3つに分かれます。1つは認知症、2つはMCI(軽度認知障害、正常と認知症の中間)、3つは正常ですが加齢による物忘れです。 明らかな認知症の場合は、本人が受診する前に家族や友人など周囲の人に気づかれることが多いです。 加齢による物忘れの人は周囲から意識されることはありません。 MCIと診断された人が全員認知症になるわけではありません。半数の方々は認知症に悪化しますが、残りの方々は変わらないか回復します。 MCIの診断はより難しいのです。加齢に伴う物忘れとMCIを見分けるには注意が必要です。 MCI、認知症の人たちを早期に診断し、認知症発症や悪化予防のための適切な対策を講じる必要があります。 加齢に伴う物忘れとMCI 、認知症を見分けるには、いくつかの手がかりがあります。 1.物忘れが進行性か安定か。 2.物忘れは経験したことのすべてか、部分的か。 3.新しいことを覚えるのが困難か。 4.本人が自分の物忘れを自覚しているか。 5.以前はできていたことができなくなったか。 英会話教室の生徒である私と先生との関係は、日々の診療における医者である私と認知症の方々との関係に似ており、認知症患者の診療に大いに役立っています。 英会話教室では毎回「Anything new? (何か新しい話題はありましたか?)」という質問に対し、あらかじめ文章を考えて必死に暗記し、それを緊張しながら先生の前で発表します。 この作業を通して、英語力が少し向上し、大学受験以来の記憶力を少し取り戻したような気がします。 記憶力訓練、集中力訓練、そして先生から「よくやった...